
第四十八章 麻痺による進行 三話
「いよいよですか。イリアスさんのエクストラロード、雷電閃光走は、自身や触れた対象物を雷に変え、走る速度は音速を超えます。ペナルトギアの性能がどれだけ水準を超えようとも、雷のスピードには及びません。おまけにイリアスさんは雷電閃光走の時、全身が電気信号をキャッチししていますから、麻痺している脳に干渉する千川さんのエクストラロードの効力における影響は受けない。なのでこのコートに置いて、イリアスさんは無敵の恩恵を神から誰よりも受けています」
優々と語る銅羅は、まるで勝を確信している様な面持ちだった。
「あっちでも早すぎる男は嫌われるけど、イリアスちゃんの場合は別ね。だって、あんなにも輝かしいもの。さすがキャプテンだわ」
悶々としながら口にする遥に、少し距離を置く銅羅とベンチメンバーたち。
致し方なく、豪真はタイムアウトを取る。
ブザーが会場中に鳴ると、理亜たち一行は各々のベンチに戻っていく。
「どうなってんのあれ?」
「まるで雷ですが」
理亜と加奈がパニックに近い状態。
「落ち着きな。あれはおそらく自身や対象物を手にしたら、電気に変えるんだろう」
「電気に変える?」
由紀子が冷静に分析した結果を淡々と口にすると、順子が首を傾げる。
「そうさ。落雷のスピードとほぼ一緒さ。音速を超え、相手に電流も流す。あれは厄介どころじゃないね」
「「うわー」」
由紀子の説明に項垂れる一同。
その中で、芙美は一番悔しがっていた。
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