
第四十六章 縮まらない差 三話
辛い表情を全面的に出しながら、知留はリングの輪に六割ほどの体重をかけながら、残りの四割を竜巻を押し返そうとする片手に向ける。
とんでもないディフェンスに呆気に取られる豪真たち。
知留が歯を食いしばりながら竜巻を押しのけようとする。
竜巻が手に当たる摩擦で、バチバチと言った火花が走る。
そこで、竜巻の力が弱くなってきたことに気付いた知留は、全体重を押し返そうとする片手に向ける。
すると、バチン! と言った激しい音を立てると、竜巻かかき消されてしまった。
それには奏根も驚愕する。
知留はそのまま、奏根が両手でダンクして振りかざしているボールを強く弾き飛ばす。
全員が目を剥く中、ボールはルーズボールとなり、スローインラインに飛んでいく。
そのボールを、代野と智古が追いかけていく。
そのボールを手にしたのは智古だった。
しかし、手にした途端、飛翔がエアコネクトで智古のボールを弾き、すぐ近くに居る代野が手にする。
すぐに奏根たちのコートに向かってドリブルして行く代野。
その更に前にイリアスが出ると、イリアスに向かいパスをする代野。
ボールを手にしたイリアスは、乱歩・気流を発動させた芙美と接触する。
芙美が四人の分身でイリアスのボールを奪いにかかる。
すると、イリアスは天井向けボールを真上に投げ飛ばした。
まさかのプレーに驚く芙美。
だがそれは計算されていた。
真上に投げられたボールは、飛翔がエアコネクトで斜め下、前に弾く。
イリアスは驚く芙美を置いていくように、前へ走っていた。
焦慮しながら後を追う芙美。
斜め下の前にエアコネクトで弾かれたボールは、リングの前にまで飛んでいく。
そのボールを空中でキャッチしたイリアスは、そのままダンクで決める。
エアコネクトによるアリウープ。
それには愕然とする豪真たち。
「乱歩・気流も、ここまでですかね」
銅羅がニヤリと笑いながら口にすると、ここで第三クウォータ終了のブザーが鳴る。
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